富山の家づくり

「富山は安心」から「富山でも備える」時代へ。地元のデータを知る工務店が考える、家族を守る防犯の家

こんにちは、太平ハウス・ラボです。

これまで「断熱」「気密」「デザイン」についてお話ししてきました。今回のテーマは「防犯」です。

「富山は治安がいいから大丈夫」――そう感じている方も多いと思います。実際、民間の治安ランキングで富山県は47都道府県中21位と、比較的良好な位置にあります。

ただ、地域のデータを細かく見ていくと、少しずつ変化も見えてきます。共働きで家を空ける時間が長いご家庭や、お子さんが一人で帰宅するご家庭にとって、防犯は家づくりの段階から考えておきたいテーマです。


データで見る、いまの富山の防犯事情

富山県警察のまとめによると、令和7年の県内の刑法犯認知件数は5,337件で、前年より6.9%増えました。そのうち約77%が、富山市・高岡市・射水市の3市に集中しており、富山市だけで2,700件にのぼります。

また、空き巣などの侵入窃盗は718件と、前年の約2.2倍に増えました。増加の中心は事務所や店舗などですが、住宅も決して他人事ではありません。

特に注目したいのが、住宅を狙った侵入窃盗のうち52.4%が「カギのかかっていない場所」から侵入されているという点です。全国平均の約41%を大きく上回っています。

かつては「近所はみんな顔見知りだから、カギをかけなくても大丈夫」という感覚を持つ方も少なくありませんでした。しかし、その安心感が、今はすきを生む原因にもなっているのです。

さらに、富山市の空き家率は14.4%(令和5年住宅・土地統計調査)。空き家が増えると、死角が生まれやすくなり、人の目が行き届かない場所が増えていきます。新しい家を建てるときこそ、周辺環境も含めて防犯を考えるタイミングです。


これからの季節が、防犯を考える最適なタイミング

9月の終わり、日が短くなり始めるこの時期は、夕方の暗さが一気に早まります。夏場は19時ごろまで明るかった富山でも、10月には17時半ごろには薄暗くなります。

共働きで帰宅が18時を過ぎるご家庭は、暗くなった玄関や勝手口を毎日通ることになります。お子さんが先に帰宅するご家庭なら、なおさら気になるのではないでしょうか。

防犯は、家が完成してから「後付け」するよりも、設計段階から組み込むほうが効果が高く、費用も抑えられます。これから家づくりを考え始める方に、ぜひ知っておいていただきたいポイントをまとめました。


「入りにくい家」をつくる5つの設計ポイント

1. 玄関まわり ― 見通しと明るさ

侵入者は「人の目」を避けます。玄関までのアプローチは、道路からの見通しを確保することが大切です。背の高い塀や植栽で完全に囲ってしまうと、一度敷地に入られた場合に外から気づきにくくなります。

人感センサー付きの照明を玄関と勝手口に設けるだけでも、夜間の抑止力になります。

2. 窓の配置と防犯性能

侵入窃盗の多くは「窓」からです。特に、道路から見えにくい面(裏庭側や隣家との間など)にある窓は注意が必要です。

対策としては、防犯合わせガラスの採用、面格子の設置、窓の位置を高めにする、小さなすべり出し窓を使うなどが考えられます。デザイン性と防犯性は両立できます。

3. 外構と照明の計画

敷地の外構計画も防犯に大きく関わります。道路と建物の間にオープンな外構をつくると、敷地内に死角が生まれにくくなります。

防犯砂利を敷くと、歩くたびに音がするため、不審者の侵入に気づきやすくなります。駐車スペースや物置まわりの照明も忘れずに計画しましょう。

4. 勝手口・バックヤードの設計

勝手口は「開けっぱなしにしやすい場所」です。ゴミ出しや洗濯物の出し入れのたびに開け閉めするうちに、施錠を忘れがちになります。

施錠のしやすい形状のカギを選ぶこと、勝手口まわりに照明や人感センサーを設けることが効果的です。

5. 通信・スマート設備の活用

ドアホンのカメラ連動、スマートロック、照明のタイマー制御など、帰宅前に家の様子を確認できる仕組みも取り入れやすくなっています。

新築時にこれらの配線や設備を組み込んでおくと、後から設置するよりもスムーズです。


「防犯」は家族の安心に直結するテーマ

富山で家を建てるとき、断熱や耐震は多くの方が気にされます。一方で、防犯は「うちの地域は大丈夫」と後回しにされがちなテーマでもあります。

しかし、データを見ると、富山でも侵入窃盗は増えています。特に無施錠での被害が多い点は、住まいの設計で防げる部分が大きいということでもあります。

家族が安心して暮らせる家は、性能だけでなく、防犯にも配慮された家です。家づくりの相談の中で、「防犯のことも考えたい」とお伝えいただければ、敷地条件やご家族の暮らし方に合わせた提案をいたします。

この記事のまとめ
・富山県の侵入窃盗は前年の約2.2倍に増加(富山県警察 令和7年データ)
・住宅侵入の52.4%は無施錠からの侵入(全国平均41%を上回る)
・玄関・窓・勝手口・外構・照明を設計段階から防犯視点で計画することが効果的
・日が短くなるこれからの季節は、防犯を見直す良いタイミング

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参考データ: 富山県警察「令和7年 富山県の犯罪」、富山市「令和5年住宅・土地統計調査結果の概要」、警察庁「住まいる防犯110番」、気象庁「富山県の気候変化」。数値は各公表資料を住宅提案向けに要約しています。

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