スーパーウォール工法マニア
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家の快適さは、
壁の中で決まる。

冬の朝、リビングは暖かいのに廊下とトイレは寒い。夏は2階だけが蒸し暑い。その原因の多くは、目に見えない「壁の中」と「すき間」にあります。スーパーウォール(SW)工法は、LIXILが開発した高気密・高断熱・高耐震のパネル工法です。これから家を建てる方に向けて、仕組み・数字・費用・会社選びのポイントまでを、できるだけやさしい言葉で解説します。

C値1.0以下気密性能の基準。SWの家は全棟で気密測定を行い、測定結果の報告書が出ます
4.3倍高性能SWパネルの壁倍率(国土交通大臣認定)。耐震等級3の設計が推奨されています
60年壁・屋根・小屋パネルの断熱材が、内部結露で劣化しないことの保証期間
90%第1種換気「エコエア90」の熱交換率。換気しても室温を逃がしにくい
壁

スーパーウォール工法とは? ひとことで言うと

日本の木造住宅で最も多い「木造軸組(在来)工法」の柱と梁に、工場でつくった高性能な断熱パネルを組み合わせる工法です。柱と梁でつくる骨組みに、パネルの面の強さを足して、家全体を一つの「箱」として固めます。

① 屋根パネル ① 壁パネル ② 高断熱サッシ ③ 計画換気換気:約2時間で家じゅう入れ替え ④ 柱・梁 + 面 = モノコック構造(家全体が一つの箱)
SWの家は「パネル」「窓」「換気」「構造」の4つをセットで設計します。パネルだけ高性能でも、窓や換気が弱ければ性能は出ません。
01 PANEL

SWパネル

硬質ウレタンフォームの断熱材と構造用面材を、工場で一体に成形したパネル。断熱・気密・耐震を1枚で担います。

02 WINDOW

高断熱サッシ

熱の出入りが一番大きい窓を、樹脂窓などの高断熱サッシで固めます。

03 AIR

計画換気

すき間が少ないからこそ、空気の入口と出口を設計どおりにコントロールできます。

04 BOX

モノコック構造

壁・床・天井を一体化した箱形の構造。地震や台風の力を家全体で受け止めます。

どこで建てられるの?

SW工法は、LIXILの研修・認定を受けたSW加盟の工務店・ビルダーだけが施工できます。大手ハウスメーカーの独自工法とは違い、地域の工務店が「性能の高い家」をメーカー仕様と保証の裏づけつきで建てられる仕組みです。1995年の誕生以来、全国で採用されています。

暖

なぜ暖かいのか ― 断熱材が「厚さの半分」で効く

断熱材の性能は「熱伝導率(λ:ラムダ)」という数字で比べます。小さいほど熱を通しにくい材料です。SWパネルに使う硬質ウレタンフォームは、一般的なグラスウールのおよそ半分のλ。同じ厚さなら約2倍の断熱性能になります。

熱の通しにくさ比べ(熱伝導率λ・小さいほど高性能)

グラスウール 10K一般的な住宅でよく使われる0.050
高性能グラスウール 16K高断熱住宅の定番0.038
硬質ウレタンフォームSWパネルの断熱材0.019

単位:W/(m·K)。グラスウールは一般的な製品値、硬質ウレタンフォームはSWパネルで用いられる値の一例です。実際の製品・仕様で数値は異なります。

「温度差の少ない家」になる

断熱性能が上がると、部屋ごとの温度差が小さくなります。LIXILの資料では、外気0℃・暖房20℃の条件で、一般的な家はリビングとトイレの温度差が約9℃。HEAT20 G2レベルの家では約5℃まで縮まります。寝る前に暖房を切っても、翌朝のリビングが約15℃を保つという試算もあります(一般的な家では10℃を下回る)。

冬の家の寒さは「我慢」ではなく「健康」の問題です。暖かい部屋から寒い脱衣室・浴室へ移動したときの急な温度変化(ヒートショック)を減らすことが、高断熱住宅のいちばんの価値と言ってもいいかもしれません。SWの家に住む4,343人へのアンケートでは、約8割が「住んでから健康面で改善があった」と回答しています。

出典:LIXIL スーパーウォール工法 特長(快適・健康)。温度は同社のシミュレーション条件による値です。
密

なぜすき間が少ないのか ― 気密を「現場」ではなく「工場」でつくる

気密とは、家のすき間の少なさのことです。どれだけ厚い断熱材を入れても、すき間から冷たい空気が入れば台無しになります。SW工法の気密が高い理由は、パネルそのものが空気を通さない「気密層」になっているからです。

一般的な在来工法

シートを現場で貼ってすき間をふさぐ

  • 繊維系の断熱材は空気を通すため、室内側の防湿気密シートで気密をとる
  • シートの重ね目、柱まわり、コンセント・配管の穴が弱点になりやすい
  • 仕上がりが職人の腕に左右され、数値がぶれやすい
スーパーウォール工法

空気を通さないパネルで面をつくる

  • 硬質ウレタンフォーム(独立気泡)は、それ自体が空気をほとんど通さない
  • 工場で面材と一体成形するので、品質が均一
  • 現場で処理するのはパネルの継ぎ目や窓・配管まわりに絞られ、指定の気密部材と施工手順で納める

C値ってなに? 家全体のすき間を「はがき」で数える

C値(相当すき間面積)は、家の床面積1㎡あたりに何cm²のすき間があるかを表す数字です。小さいほど高気密。C値 × 延床面積 で、家じゅうのすき間を集めた面積がわかります。SWの家はC値1.0以下を基準に、全棟で専用の機械を使って気密測定を行います。下のスライダーで、あなたの家のすき間を確かめてみてください。

家全体のすき間99 cm²
はがき(148cm²)で何枚分?約0.7枚
正方形にすると約10cm角

C値1.0の30坪の家なら、すき間は家全体でもはがき1枚分以下。かつての省エネ基準(寒冷地以外)で目安とされたC値5.0の家と比べると、すき間は5分の1です。

C値30坪(約99㎡)のすき間はがき換算イメージ
5.0約496 cm²約3.4枚かつての省エネ基準の目安(寒冷地以外)
2.0約198 cm²約1.3枚かつての寒冷地の基準の目安
1.0約99 cm²約0.7枚SW工法の基準。計画換気が設計どおり働く目安
0.5約50 cm²約0.3枚施工精度の高い工務店が目指す水準
C値の基準は2009年の省エネ基準改正で国の基準から削除されました。現在の国の基準にC値の数値はありません。だからこそ「測っている会社」と「測っていない会社」で差が出ます。

ポイントは「測って、数字で見せる」こと。気密は完成後に目で見て確かめることができません。SW工法では全棟で気密測定を行い、結果を報告書で受け取れます。性能を「つもり」ではなく「実測値」で確認できるのが、SWの家の大きな安心材料です。

換

すき間が少ないから、換気が「計画どおり」に働く

「高気密の家は息苦しいのでは?」とよく聞かれます。実は逆です。すき間だらけの家では、換気扇を回しても近くのすき間から空気が入るだけで、部屋の奥まで新鮮な空気が届きません。ストローに穴が開いていると飲み物を吸えないのと同じです。

2 HOURS

約2時間で家じゅうの空気が入れ替わる

建築基準法で求められる24時間換気。SWの家は、空気の入口と出口を決めて、家全体に新鮮な空気を行き渡らせます。

90%

熱交換で、換気しても寒くない

第1種換気「エコエア90」は、捨てる空気の熱を90%回収してから外気を取り込みます。冬に冷たい外気がそのまま入ってこないので、足元が冷えにくくなります。

PM2.5

花粉・PM2.5もフィルターで

エコエア90のフィルターは、2.0µmの粒子を90%以上捕集。花粉や黄砂の季節も、窓を開けずに換気できます。

換気方式は、熱交換型の第1種換気(エコエア85・90)と、排気だけを機械で行う第3種換気から、地域や予算に合わせて選べます。寒い地域や、温度・湿度の快適さを重視するなら第1種の熱交換型がおすすめです。

出典:LIXIL スーパーウォール工法 特長(空気環境)
震

地震に強い ― 柱で支え、面で受け止める

在来工法は柱・梁・筋かいなど「線」で力を受けます。SW工法はそこに強いパネルの「面」を加え、床・壁・天井を一体化した箱(モノコック構造)にします。地震や台風の横からの力を一点に集めず、家全体に分散させます。

項目内容
壁倍率高性能SWパネルは4.3倍(国土交通大臣認定)。2.5倍のパネルと組み合わせ、効率よく耐力壁を配置できます。壁倍率は「その壁がどれだけ横からの力に強いか」を示す数字で、数字が大きいほど強い壁です
耐震等級最高ランクの耐震等級3での設計が推奨されています。等級3は、消防署・警察署など防災の拠点となる建物と同じレベルの基準です
制震制震テープを使った仕様では、実大振動実験で揺れ幅が約40mm→約20mmと、約半分に抑えられました(兵庫県南部地震の揺れを2回加えた実験)
実際の地震2004年の新潟県中越地震で震度6強以上を記録した地域の調査では、SWの家167棟が被害なし、39棟が軽微な被害でした
出典:LIXIL スーパーウォール工法 特長(安心・安全)。耐震等級は1棟ごとの構造計算・設計によって決まります。
久

長持ちする ― 壁の中で結露させない

家を内側から傷める原因のひとつが、壁の中で起きる結露(内部結露)です。目に見えないところで断熱材が湿り、木材が腐り、カビが発生します。硬質ウレタンフォームは水や湿気を通しにくい素材で、壁の中に湿気をため込みにくいのが特長です。

60 YEARS

60年の無結露保証

壁・屋根・小屋パネルの硬質ウレタンフォームが、内部結露で劣化しないことを60年間保証。一般的な住宅の瑕疵保証(10年)では対象外になる部分まで、メーカーが保証します。

20 YEARS LATER

築20年で解体しても、建てたときのまま

築20年のSWの家を解体した際、パネルの内部にカビや結露の跡はなく、建築時の状態が保たれていたことが確認されています。

出典:LIXIL スーパーウォール工法 特長(長持ち)。保証には所定の条件があります。詳細は施工会社にご確認ください。
円

費用はどのくらい? ― 「建てる費用」と「住む費用」で考える

SW工法は、パネル・高断熱サッシ・計画換気・気密測定がセットになるため、最低限の性能でつくる一般的な在来工法と比べると建築費は上がります。ただし、その差は「何と比べるか」で大きく変わります。

比べる相手差額の目安考え方
最低限の省エネ基準(等級4)の在来工法建築費の1〜2割程度高い例断熱材・窓・換気・気密測定がすべて上乗せになるので、差は大きく見えます
同じ性能(等級5〜6・樹脂窓・第1種換気)をそろえた在来工法差は大きく縮まる比べるべきはこちら。在来工法でも高性能にすれば、材料と手間のコストは同じように上がります
価格はLIXILから公表されておらず、地域・工務店・仕様・間取りで大きく変わります。表は工務店各社の公開情報をもとにした目安です。正確な金額は必ず見積もりで比較してください。

「住んでからの費用」まで入れると見え方が変わる

ENERGY

光熱費が下がる

冷暖房の効きがよく、エアコン中心で家全体を快適にしやすくなります。毎月の光熱費の差は、30年・35年の住宅ローン期間で積み上がります。

SUBSIDY

補助金・減税の対象になりやすい

国の補助制度や住宅ローン減税は、省エネ性能が高い住宅ほど優遇されます。断熱等級6以上が求められる制度もあり、高性能な仕様にしておくほど選択肢が広がります。

MAINTENANCE

壁の中の劣化リスクが小さい

内部結露による断熱材や構造材の傷みは、気づいたときには大がかりな工事になります。60年無結露保証は、その見えないリスクへの備えです。

見積もりを比べるときは「坪単価」より「同じ性能で比べる」。UA値(断熱)、C値(気密)、耐震等級、窓の種類、換気の方式。この5つをそろえた上で金額を比べると、SW工法の本当の価値が見えてきます。

知

建てる前に知っておきたい、上手な付き合い方

どんな工法にも得意・不得意があります。SWの家で後悔しないために、設計の段階で知っておきたいポイントをまとめました。どれも、知っていれば対策できることばかりです。

PLAN

大きな窓・壁の位置は早めに相談

パネルが耐力壁になるため、壁一面の大開口や極端に複雑な形には工夫が必要です。

対策間取りの初期段階から、SWの設計に慣れた担当者と窓・吹き抜けの位置を決めましょう。
RENOVATION

将来の間取り変更を見込んでおく

耐力壁のパネルは、後から撤去したり大きな穴を開けたりできません。

対策子ども部屋の仕切りなど、将来変えたい壁は耐力壁にしない設計にしておきましょう。
HEATING

石油・ガスのファンヒーターは使わない

室内に排気を出す暖房は、高気密の家では空気を汚し、一酸化炭素のリスクもあります。

対策エアコンや床暖房など、室内で燃焼しない冷暖房を計画しましょう。そもそも少ない台数で家全体が暖まります。
FILTER

換気フィルターのお手入れ

フィルターが詰まると換気量が落ち、空気の質や結露に影響します。

対策数か月に一度の掃除と定期交換を習慣に。手の届く場所に本体を設置してもらうと楽です。
ODOR / SOUND

においと音のこもり

外の音が入りにくい反面、焼き肉のにおいや室内の音が残りやすいと感じる方もいます。

対策キッチンの換気計画と、吸音性のある内装材の採用で和らげられます。
BUILDER

建てられる会社が限られる

SW加盟の工務店でしか建てられないため、比べられる会社の数は少なくなります。

対策下の「会社選びのチェックリスト」で、施工実績と実測データを確認しましょう。
選

SWの家を建てる会社選び 7つのチェックリスト

SW工法は「メーカー仕様+保証」という土台がある工法です。ただし、最終的な仕上がりは工務店の設計力と施工精度で決まります。打合せのときに、次の7つを聞いてみてください。

  1. これまでの気密測定の実績値を見せてもらえますか?

    基準はC値1.0以下ですが、実際には0.5以下で安定させている会社もあります。平均でどれくらいですか?と聞くのがコツです。

  2. 気密測定は、いつ・何回やりますか?

    完成時だけでなく、工事の途中(断熱・気密工事の完了時)にも測ると、すき間が見つかったときに手直しできます。

  3. UA値(断熱性能)は、いくつで設計しますか?

    断熱等級5・6・7のどれを目指すかで、窓やパネルの仕様が変わります。建てる地域に合った目標値を確認しましょう。

  4. 耐震等級3は、構造計算で確認しますか?

    「等級3相当」ではなく、計算で確認した等級3かどうか。許容応力度計算まで行う会社だとさらに安心です。

  5. 窓はどの製品・どのガラスを使いますか?

    家の熱の出入りが一番大きいのは窓です。樹脂窓か、ペアガラスかトリプルガラスかを確認しましょう。

  6. 換気は第1種ですか? 第3種ですか?

    熱交換型の第1種換気かどうかで、冬の快適さと光熱費が変わります。フィルター交換の費用も聞いておきましょう。

  7. SWの家の施工実績と、住んでいる方の声は?

    完成見学会や、実際に住んでいる家の見学ができるか。冬や夏に体感できると、数字の意味が実感できます。

問

よくある質問

高気密の家は、息苦しくなりませんか?

すき間が少ないぶん、計画換気で空気の入口と出口をコントロールしているので、むしろ家じゅうの空気がきちんと入れ替わります。約2時間で家全体の空気が入れ替わる設計です。

スーパーウォール工法とツーバイフォー工法の違いは?

ツーバイフォーは、規格材の枠組みと面材で壁をつくる「壁式」の工法です。SW工法は、日本の在来工法(柱・梁)をベースに高性能パネルを組み合わせるので、柱と梁による設計の自由度を残しながら、面の強さと高い断熱・気密を得られます。なお北海道・東北向けには、2×6工法用のSWパネルもあります。

夏は暑くなりませんか?

断熱は冬だけでなく夏の暑さも防ぎます。ただし、窓から入る日射の熱は大きいので、軒や庇、外付けブラインドなど日射を遮る設計とセットで考えるのが大切です。

リフォームでもスーパーウォールにできますか?

LIXILにはリフォーム向けのスーパーウォール工法もあり、既存住宅の断熱・耐震性能を高める改修に使われています。建物の状態によって適用できる範囲が変わるため、対応している施工会社に相談してください。

断熱等級6や7は取れますか?

パネルの厚み、窓の性能(トリプルガラスなど)、付加断熱(DUAL EXパネル)などの組み合わせで、高い等級を目指せます。地域と目標値によって必要な仕様が変わるので、設計段階でUA値の計算を依頼してください。

どこの工務店でも建てられますか?

いいえ。LIXILの認定を受けたSW加盟の工務店・ビルダーだけが施工できます。工務店のホームページで「スーパーウォール」「SW工法」の取り扱いを確認するか、LIXILのサイトで探すことができます。

もっとマニアな知識

性能の高い家づくりを、数字で比べられるように。

公式LINEでは、工務店との打合せにそのまま持っていける「性能チェックシート」や、断熱・気密・耐震の見方をまとめた資料をお渡ししています。SWの家を検討中の方の、工務店選びのご相談も受け付けています。

公式LINEで相談する断熱材マニアを読む →
スーパーウォール工法マニア / 株式会社Amigo・オサック「マニアな知識」
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