備後の家づくり

府中の夏は、この25年で別物になった。だから私たちは「断熱」から家を直します

「エアコンをつけっぱなしにしても2階が暑い」「冬の朝、洗面所が寒すぎて子どもが嫌がる」。

府中市や福山市、尾道市で築20〜40年のお住まいをリノベーションしようと考えているご家族から、最近いちばん多く聞くのがこの声です。

こんにちは。広島県府中市の工務店、エムズワークスです。

今回は、これから中古住宅の購入やご実家の建て替え・リノベーションを考えている30〜40代の共働きのご夫婦に向けて、私たちがなぜ「断熱」に強くこだわるのかを、この地域の気候データとあわせてお話しします。

数字で見る、備後地域の気候の変化

まず知っていただきたいのが、この土地の気候が「昔の常識」から大きく離れてしまっているという事実です。

気象庁の観測データによると、福山観測所の年平均気温は2000年から2025年のあいだに約1.5℃上昇し、2024年には17.0℃と観測史上最高を記録しました。

1.5℃と聞くと小さく感じるかもしれませんが、猛暑日(35℃以上)の日数は2000年ごろの年間およそ12日から、2024年には39日へ。熱帯夜(最低気温25℃以上)も約20日から48日へと、それぞれ2倍以上に増えています。

つまり「夏はエアコンなしで窓を開ければ何とかなる」という、私たちが子どものころの府中の夏は、もう存在しないのです。

一方で冬も油断できません。府中市は瀬戸内沿岸の福山と、中国山地の三次のちょうど中間に位置する内陸の盆地寄りの町です。夏は暑く、冬は冷え込み、芦田川沿いでは霧も出ます。沿岸部の尾道のように海風で和らぐこともなく、夏と冬の振れ幅が大きいのが府中の気候の特徴です。

この「夏はより暑く、冬はしっかり寒い」という土地で、断熱材がほとんど入っていない、あるいは経年で性能が落ちた家に住み続けると、光熱費が家計を圧迫するだけでなく、ヒートショックやお子さんの寝苦しさといった健康面のリスクにも直結します。

豪雨のリスクも、断熱と無関係ではありません

もうひとつ、この地域の家づくりで避けて通れないのが水害です。

2018年7月の西日本豪雨では、福山市で24時間雨量238mm(観測史上1位)を記録し、芦田川水系を中心に約2,000haが浸水しました。2014年8月の広島豪雨でも福山・三次に被害が出ています。この25年で、激甚災害級の豪雨が5回。備後地域は「土砂・水害の常襲地帯」と言っていい場所です。

実はこれ、断熱リノベーションの計画にも直結します。

床下浸水を一度でも経験すると、床下に入れた断熱材が水を吸って性能を失い、カビや腐朽の原因になることがあります。だから私たちは、ハザードマップで敷地のリスクを確認したうえで、水に強い断熱材を選ぶのか、床の高さや床下の通気をどう確保するのかを、断熱と一緒に考えます。

「断熱材を入れれば暖かくなる」だけで終わらせない。土地のリスクを知っているからこそできる判断です。

エムズワークスが断熱リノベで大切にしている3つのこと

1. 「窓」から手をつける

家の熱の出入りで最も大きいのは窓です。夏は7割前後の熱が窓から入り、冬は5割前後の熱が窓から逃げていくと言われます。

築30年前後の家に多いアルミサッシの単板ガラスは、断熱の観点ではほぼ「穴が開いている」状態。まずは内窓の設置や樹脂サッシ・Low-E複層ガラスへの交換で、ここを塞ぐのが費用対効果の面でも最優先です。

2. 天井・床・壁を「隙間なく」入れる

断熱材は、種類や厚みよりも「隙間なく入っているか」で性能が決まります。

古い家の天井裏を開けると、断熱材がずれていたり、配線工事のたびにめくられたまま放置されていたりすることが本当に多い。エムズワークスには営業職がおらず、お打ち合わせから施工までを大工が直接担当します。図面上の数字ではなく、実際に天井裏や床下にもぐった大工が「この家はここが弱い」と判断し、必要な場所に必要な断熱を施工します。

3. 「性能の目安」を持って提案する

広島県の5市は、国の省エネ基準でいう「6地域」です。この地域で夏の冷房負荷を大きく減らすには、外皮平均熱貫流率(UA値)0.34W/㎡K以下、いわゆるHEAT20のG2レベルが一つの目安になります。フルリノベーションであれば、このレベルを目指すことで冷房負荷を約3割減らし、エアコン1〜2台で家全体を快適に保つことも現実的になります。

もちろん、すべてのご家庭がG2を目指す必要はありません。予算や間取りに合わせて「まず窓と天井」「次に床」と段階的に進める提案もしています。

共働き・子ども2人・年収700万円のご家庭の「現実的な断熱」

正直にお伝えすると、建材価格の高騰で「広さか、性能か」を選ばなければならない場面が増えています。

30代・40代の世帯年収700万円前後のご家庭であれば、フルリノベーションで500〜1,500万円、建て替えなら建物2,200〜2,800万円あたりがこの地域のボリュームゾーンです。

私たちのおすすめは、面積を欲張らず、30坪前後のコンパクトな間取りに性能をしっかり乗せること。

使わない部屋を減らして、そのぶん断熱と窓にお金をかける。共働きで日中は家を空けるご家庭ほど、帰宅したときの「モワッとした暑さ」「凍えるような寒さ」がない家の価値は大きいはずです。断熱改修には国や県の補助制度が使える年も多いので、時期を含めてご相談ください。

府中で生まれ育った大工だから、府中の家がわかる

エムズワークスの代表は、府中市で生まれ育った現役の大工です。

府中市は5市の中で最も高齢化が進み、空き家率は25%を超える地域と推計されています。「20年後、この町の家を守れる職人がいなくなるのではないか」。その危機感から、私たちは新築だけでなく、既存住宅を直して次の世代につなぐことを会社の使命にしています。

猛暑日が3倍になった夏、氷点下の朝、芦田川の水害履歴、霧の多い盆地の湿気。

こうした条件をデータとしても、身体感覚としても知っている工務店だからこそ、「広島県ならどこでも同じ仕様」ではない、府中・福山・尾道の暮らしに本当に合った断熱をご提案できると自負しています。

既製品で納まらない部分は自社工場で部材を製作し、一軒一軒違う家の状況に合わせて施工する。ドアノブ1つの「ちぃと」した困りごとから、断熱を含めたフルリノベーションまで、どの規模でも大工が直接お話をうかがいます。

「うちの家、断熱ってどのくらい入っているの?」

そんな素朴な疑問からで構いません。まずは現状を一緒に見るところから始めましょう。ご相談・お見積りは無料です。お電話・メール・LINEからお気軽にお問い合わせください。


出典:気象庁「過去の気象データ検索」(福山観測所)/内閣府「平成30年7月豪雨の概要」/総務省「住民基本台帳人口」2025年/国交省「住宅・土地統計調査」/HEAT20設計ガイドブック

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