猛暑でもエアコンが効きやすい家にする断熱リフォーム。金沢の「築30年の家」を、夏に強い家に変える方法
「エアコンをつけているのに、2階が暑い」「設定温度を下げても、なかなか部屋が冷えない」「電気代の請求書を見るのが怖い」
金沢の夏が変わったことは、前回の記事でお話ししました。年平均気温は25年で+1.8℃、猛暑日は3日から22日へと7倍。今の金沢は、東京・大阪と同じ暑さです。
その変化を、もっとも身近に感じているのは、実は新築を考えている方ではなく、今ある家に住んでいる方かもしれません。実家、中古で買った家、親から受け継いだ家。金沢には、雪と寒さだけを想定して建てられた「涼しかった頃の金沢」の家が、たくさん残っています。
今回は、そうした家を「猛暑でもエアコンが効く家」に変える断熱リフォームについて、私たちメープルホームの考え方をお話しします。
なぜ、古い家はエアコンが効かないのか
エアコンが効かない家には、共通の理由があります。冷やした空気が逃げ、外の熱が入り続けているからです。
日本の住宅のおよそ9割は、現行の省エネ基準を満たしていない、断熱性能の足りない家だと言われています。金沢で30年前に建てられた家の多くは、壁の断熱材が薄いか、入っていても隙間だらけ。窓はアルミサッシに一枚ガラス。天井裏の断熱は薄く、夏には屋根の熱がそのまま2階に降りてきます。
こうした家でエアコンをつけると、冷やした空気は隙間から逃げ、壁と窓と天井からは外の熱がじわじわと入り込む。エアコンは、穴の開いたバケツに水を注ぐように、いつまでも止まりません。効かないのではなく、「効いた分が逃げている」のです。
もうひとつの問題が、家の中の温度差です。エアコンのあるリビングは冷えても、廊下や2階、水まわりは蒸し暑いまま。エアコンを増やせば電気代が跳ね上がり、増やさなければ家族が快適に過ごせる部屋がひとつしかない。共働きで家族の生活時間がばらばらなご家庭ほど、この温度差は日々のストレスになります。
金沢で、断熱リフォームが「今」必要になっている理由
① 家が建てられた頃の金沢と、今の金沢が違う
市場調査の「2000年と今」の比較によれば、2000年頃の金沢の住宅は「断熱+耐雪が主題で、夏のエアコン依存度は低かった」と整理されています。つまり、築30年前後の金沢の家は、そもそも夏を想定して設計されていません。冬に耐える家として正しく建てられた家が、変わってしまった気候に合わなくなっている。これは家の欠陥ではなく、前提の変化です。
② 金沢には、その「涼しかった頃の家」が最も多い
対象6市町の人口を世代別に見ると、最大のボリュームは50代で、50〜60代の合計は30代の2.4倍にのぼります。この世代の多くが、築30年以上の家に住んでいます。市場調査はこれを「新築一次取得から、建替・リノベ・二世帯化への市場の主役交代」と表現しています。
30〜40代のご夫婦にとっても、この話は他人事ではありません。ご両親の家を二世帯にして住む、実家を受け継ぐ、あるいは中古住宅を買ってリノベーションする。土地と建物で4,000万円を超える新築が現実的に厳しい中で、既存の家を活かす選択は、金沢の30〜40代にとって年々現実的になっています。
③ 「断熱リフォームができる会社」が、実は少ない
市場調査は、もうひとつ厳しい事実を指摘しています。金沢の住宅事業者の8割は新築が主軸で、既存住宅の性能向上リフォームに対応できる体制は業界全体で脆弱だ、と。
「壁紙を張り替える」「キッチンを入れ替える」リフォームと、「家全体の断熱と気密を上げる」リフォームは、まったく別の技術です。後者は、新築で高断熱・高気密の家を建ててきた技術と経験があってはじめて成り立ちます。
メープルホームの断熱リフォーム:新築と同じ技術で、今ある家を性能住宅に
メープルホームは、注文住宅とあわせてリフォーム・増改築を事業として長年手がけてきた会社です。そして私たちの断熱リフォームの核にあるのが、新築で採用しているLIXILのスーパーウォール工法の技術を既存住宅に応用したスーパーウォール工法リフォームです。
まず「測る」ことから始める
断熱リフォームで最も大切なのは、今の家の状態を正しく知ることです。私たちのリフォームでは、専門家が現在のお住まいの断熱性能を測定・診断し、その家に合った断熱改修の仕様をご提案します。「どこから熱が入り、どこから逃げているか」が分からなければ、費用をかけても効果は出ません。
一棟まるごと断熱改修する
私たちが目指すのは、部分的な手直しではなく、今ある住まいを一棟まるごと断熱改修して、新築と同等の高性能住宅にすることです。壁には硬質ウレタンフォームの断熱パネル、窓は高性能サッシへ、天井や床の断熱も見直す。家全体を隙間なく包み直すことで、「エアコンのある部屋だけ涼しい」家を、「家じゅうが同じ温度」の家に変えます。
既存の家の状態はさまざまですから、私たちのスーパーウォール工法リフォームには、家の条件に応じて選べる複数の工事方法があります。住みながら工事ができるか、どこまで手を入れるか、ご家族の暮らしと予算にあわせてご提案します。
リフォームでも、全棟気密測定
新築でも大切にしている全棟気密測定を、リフォームでも行います。工事の後、実際に家の隙間を測り、断熱・気密性能を数値で示した性能報告書をお渡しします。「暖かくなったはず」「涼しくなった気がする」ではなく、「この数値になりました」と言える。それが、私たちが新築で培ってきた品質の考え方です。
壁の中の結露を防ぐ:35年無結露保証
多湿な金沢で断熱リフォームをするうえで、絶対に避けたいのが壁内結露です。せっかく断熱材を入れても、壁の中で結露が起きれば断熱材は湿り、構造材を傷めます。スーパーウォール工法リフォームで使用する断熱パネルの断熱材(硬質ウレタンフォーム)には、35年の無結露保証が付帯します。夏型結露が現実の問題になってきた今の金沢では、この保証の意味は以前より大きくなっています。
断熱リフォームで、夏の暮らしはこう変わる
高断熱・高気密の家では、エアコン1台で家全体を涼しく保ちやすくなります。実際に私たちのスーパーウォール工法の家にお住まいのご家族からは、「エアコンのあるLDKと、ない部屋の室温差が1℃ほど」という声をいただいています。
夏の暮らしで具体的に変わるのは、こんなことです。
- 帰宅したときの「ムッとする暑さ」が小さくなる。日中に入ってくる熱が少ないため、留守中の室温上昇がゆるやかになります
- 2階の子ども部屋が、夜まで暑いままにならない
- エアコンの設定温度を下げなくても涼しく、稼働時間も短くなるため、電気代が下がる
- 冬も同じ効果が出るので、暖房費と底冷え、そして脱衣所のヒートショックのリスクも減る
金沢市の30〜40代の世帯年収は520〜640万円程度。共働きでお子さん2人のご家庭にとって、夏と冬の光熱費が両方下がることは、家計にとって毎年続く効果です。
「建替か、リフォームか」を、一緒に考える
築30年以上の家を前にしたとき、選択肢は「建て替える」か「性能を上げてリフォームする」かの2つです。
構造がしっかりしていて、ご家族の暮らしに間取りが合っている家なら、断熱リフォームは建替より費用を大きく抑えながら、夏も冬も快適な家を手に入れる現実的な方法です。一方で、構造や地盤に不安がある場合は、建替のほうが結果的に安心なこともあります。
メープルホームは、新築と断熱リフォームの両方を手がけているからこそ、どちらか一方に誘導せず、その家とご家族にとって本当に合う選択を一緒に考えることができます。実際に、私たちの家の性能を評価いただいて二世帯住宅の施工が増えているのも、「親の家をどうするか」という相談から始まるケースが多いからです。
「涼しかった頃の金沢」の家を、今の金沢に合わせる
金沢の家は、この土地の雪と寒さに向き合って建てられてきました。その家々が今、想定していなかった暑さに直面しています。
家を壊して建て直すだけが答えではありません。今ある家の性能を、新築と同じ技術で、数値で確認しながら引き上げる。それができるのは、この土地で高断熱・高気密の家を建て続け、金沢の気候の変化を現場で感じてきた工務店だと私たちは考えています。
「エアコンが効かない」と感じている家にお住まいの方、ご実家の暑さが気になっている方。まずは、その家の今の性能を測ることから始めませんか。
出典:気象庁「金沢」観測所データ、国勢調査、住民基本台帳、金沢市統計書、LIFULL HOME’S住まいインデックスほか(Amigo建築コンサルティング「金沢市域住宅市場調査」2026.06より)