石川の家づくり

屋根裏の熱こもりを防ぐ換気・断熱リフォーム。金沢の「2階だけ暑い」を解決する

「1階は涼しいのに、2階だけ異常に暑い」「寝室のエアコンが夜中もフル稼働で、電気代がすごいことになっている」「屋根裏収納が、夏はサウナのようで使えない」

金沢の家で、こうしたお悩みをよく耳にします。原因の多くは、壁でも窓でもなく、屋根裏にこもった熱です。今回は、屋根裏の熱こもりがなぜ起きるのか、そしてどう解決するのかを、金沢の気候データと私たちメープルホームの考え方でお話しします。

屋根裏は、家の中でいちばん過酷な場所

夏の日中、直射日光を受け続ける屋根の表面温度は60〜70℃にまで達します。この熱は屋根材を通して屋根裏の空間に伝わり、屋根裏の温度は外気温を大きく上回る60℃前後になることも珍しくありません。

屋根裏に熱がこもると、その熱は天井を通じてじわじわと2階の部屋に降りてきます。日中だけでなく、日が沈んだ後も屋根裏に蓄えられた熱はしばらく放熱を続けるため、「2階の寝室が、夜になってもなかなか涼しくならない」という状態が生まれます。共働きで日中家を空けているご家庭では、この熱が誰にも気づかれないまま一日中こもり続け、帰宅・就寝時にいちばん暑い状態を迎えることになります。

金沢で、屋根裏の熱こもりが深刻化している理由

① 猛暑日が7倍になった

気象庁の金沢観測所のデータでは、猛暑日(35℃以上)は2000年の3日から2024年には22日へ、7倍以上に増えました。真夏日も45日から79日に拡大しています。年平均気温は25年で+1.8℃上昇し、今の金沢の暑さは東京・大阪とほぼ同じ水準です。

屋根が受ける日射の絶対量が増えれば、屋根裏にこもる熱の量も当然増えます。かつての金沢の住宅設計では、屋根裏の熱対策はそれほど重視されていませんでした。市場調査でも、2000年頃の金沢の住宅は「断熱+耐雪が主題で、夏のエアコン依存度は低かった」と整理されており、屋根裏の暑さは、この25年で新しく顕在化した問題だといえます。

② 古い家ほど、屋根裏の断熱と換気が手薄

築30年前後の家では、天井裏の断熱材が薄い、あるいは経年で沈んだり劣化したりしていることが多く、屋根からの熱を防ぎきれません。さらに、屋根裏に熱がこもらないよう外へ逃がすための換気経路(棟換気や軒換気など)が十分に確保されていない設計も少なくありません。断熱が弱く、かつ熱を逃がす経路もない。これでは屋根裏に熱がたまり続けるのは当然です。

市場調査は、対象6市町で50〜60代の人口が30代の2.4倍にのぼり、この世代の多くが築30年以上の家に住んでいると指摘しています。金沢に多く残るこうした家では、屋根裏の熱こもりは特に起きやすい状態にあります。

③ 瓦屋根など重厚な屋根材の蓄熱

金沢の伝統的な住宅に多い瓦屋根は、耐久性に優れる一方、熱を蓄えやすい性質があります。日中に受けた熱を屋根材自体がため込み、夜間もじわじわと放熱を続けることがあります。屋根材の重さは耐震の回でもお話しした構造上の論点ですが、熱こもりの観点でも無視できない要素です。

屋根裏の熱こもりを防ぐ、2つのアプローチ

屋根裏対策には、大きく分けて「断熱」と「換気」の2つのアプローチがあり、両方をあわせて行うことで効果を発揮します。

アプローチ① 天井・屋根の断熱を強化する

天井裏に断熱材を追加する、あるいは屋根そのものの断熱性能を高めることで、屋根裏の熱が天井を通して室内に伝わる量を減らします。断熱材の量だけでなく、隙間なく施工されているかどうかが性能を大きく左右します。

アプローチ② 屋根裏の熱を、外へ逃がす換気経路をつくる

断熱でどれだけ熱の伝わりを抑えても、屋根裏という空間そのものに熱がこもり続ければ、いずれその熱は室内に影響します。屋根裏にたまった熱い空気を外へ排出し、常に空気が入れ替わる経路(軒下から取り込み、棟や妻壁から排出するなど)を確保することで、屋根裏の温度そのものを下げることができます。

断熱で「熱を伝えにくくする」、換気で「こもった熱をためない」。この2つは片方だけでは不十分で、組み合わせてはじめて「2階が暑い」という問題を根本から解決できます。

メープルホームの屋根裏対策:新築でも、リフォームでも

新築:屋根まで含めた一体の性能設計

私たちが標準採用しているLIXILのスーパーウォール工法は、壁だけでなく屋根までを含めた建物全体を高断熱・高気密の外皮として設計する考え方の工法です。基準としているHEAT20 G2グレード(UA値0.46以下)には、屋根(天井)からの熱の出入りも含めて計算されています。設計段階から、屋根裏に熱をためない断熱と通気の経路を組み込むことで、2階の寝室やお子さんの部屋を、夜まで涼しく保てる家をつくります。

太陽光発電をあわせて計画する場合も、屋根の断熱・通気設計と一体で考えることで、パネルの下に熱がこもりすぎないような配慮も可能です。

リフォーム:既存の屋根裏を、性能診断から見直す

すでにお住まいの「2階だけ暑い」家には、スーパーウォール工法リフォームによる改善をご提案しています。まず専門家が現在のお住まいの断熱性能を測定・診断し、屋根裏のどこから熱が入り、どこに熱がこもっているかを把握したうえで、天井裏の断熱強化や換気経路の見直しを含めた改修計画をつくります。

新築と同様に、リフォームでも全棟気密測定を実施し、改修後の性能を数値でお示しします。「涼しくなった気がする」ではなく、「これだけ性能が上がりました」とお伝えできることが、私たちのリフォームの特徴です。

壁の中と同じく、屋根裏の結露にも配慮

多湿な金沢では、屋根裏の温度差から結露が発生することもあります。断熱材の施工が不適切な屋根裏では、夏型結露によって断熱材が湿り、性能が落ちるだけでなく、木材の劣化につながることもあります。スーパーウォール工法で使用する断熱材(硬質ウレタンフォーム)には35年の無結露保証が付帯しており、屋根裏を含めた家全体の結露対策としても効果を発揮します。

改善後、暮らしはどう変わるか

屋根裏の熱こもりを解消すると、変化は主に2階の暮らしに現れます。

  • 寝室の就寝時の室温が下がり、エアコンの設定温度を下げなくても眠りやすくなる
  • お子さんの部屋が、下校後・帰宅後の時間帯から涼しく保たれる
  • 屋根裏や小屋裏収納が、夏場でも使える温度になる
  • 2階全体の冷房効率が上がり、エアコンの稼働時間が減って電気代が下がる
  • 同じ改修は冬の底冷え対策にもつながり、夏冬両方の光熱費に効果が出る

実際に私たちのスーパーウォール工法の家にお住まいのご家族からは、「エアコンのある部屋とない部屋の温度差が1℃ほど」という声をいただいています。1階だけでなく2階も含めて、家全体が均一な温度に近づくのは、屋根裏を含めた外皮全体の性能を一体で設計しているためです。

「2階だけ暑い」を、我慢しない

猛暑日が7倍になった金沢で、屋根裏の熱こもりは今や多くの家庭が抱える問題です。特に、寝室や子ども部屋が2階にあるご家庭にとって、夜の暑さは家族の睡眠と体調に直結します。

原因は屋根裏という見えない場所にありますが、対策は断熱と換気という具体的な方法で解決できます。新築でこれから建てる方も、今の家の2階の暑さに悩んでいる方も、まずは屋根裏の状態を知ることから始めてみませんか。金沢の気候の変化を知り、性能を数値で語れる工務店として、私たちがその第一歩をお手伝いします。


出典:気象庁「金沢」観測所データ、国勢調査、住民基本台帳ほか(Amigo建築コンサルティング「金沢市域住宅市場調査」2026.06より)

← 石川の家づくりの記事一覧へ