住宅会社の本当の品質は、災害が起きたあとに見えてきます|新潟で会社を選ぶ前に
新潟で家を建てるとき、多くの方が断熱性能や間取り、価格を比べることから始めます。どれも大切な項目ですが、そこに一つ加えていただきたい視点があります。それは「何か起きたとき、その会社は動いてくれるのか」という点です。
新潟は、三つの災害がすべて起こりうる土地です
新潟県は日本海側の豪雪地帯であり、県内三十市町村のすべてが豪雪地帯に指定されています。そのうち十八市町村は特別豪雪地帯です。加えて信濃川と阿賀野川がつくった沖積低地の上に市街地が広がっているため、地震のときには揺れが増幅されやすく、液状化も繰り返し起きてきました。新潟市西区の一帯は、一九六四年の新潟地震と二〇二四年の能登半島地震で、六十年をはさんで二度の液状化被害を受けています。
地震の確率で見ても、今後三十年間に震度六弱以上の揺れに見舞われる確率は、新潟市役所の地点で十五・二パーセント、柏崎市で十七・八パーセント、三条市で十六・九パーセント、長岡市で十四・三パーセントと算出されています。決して他人事の数字ではありません。
家は、引き渡しの日が終わりではありません
住宅の性能は図面と現場で決まりますが、暮らしの安心はそのあとの数十年で決まります。大雪で屋根からの落雪が隣地にかかってしまった、地震のあとに建具の建て付けが変わった、床下に水が入った。こうした出来事は、完成見学会では想像しにくいものです。
そして、そのときに連絡が取れる会社かどうかで、その後の暮らしはまったく違うものになります。災害のあとは職人も資材も不足します。優先順位を決めて動ける体制があるかどうかが、そのまま復旧の速さに表れます。
「建物」を売る会社と、「暮らし」を預かる会社
家は建築物ですが、お客様が手に入れているのは建物そのものではなく、その家で過ごす数十年の暮らしです。この違いを自覚している会社は、引き渡し後の体制づくりにも自然と力を入れます。逆に建物を納めることが仕事の終わりだと考えている会社は、有事の想定をそもそも持っていません。
新潟県内の新設住宅着工戸数は、二〇二五年度で七千九百二十四戸でした。二〇〇六年度の一万九千六百六戸と比べると四割ほどの水準です。市場が縮んでいく局面では、新しい契約を追うことに精いっぱいの会社と、既に建てたお客様との関係を資産として大切にする会社とで、姿勢の差がはっきり出てきます。
見学会で、一つだけ聞いてみてください
もし住宅会社を回る機会があれば、間取りや価格の話が一段落したところで、災害が起きたときの対応について尋ねてみてください。答えの内容そのものより、その会社が普段からその問いを自分たちのものとして考えているかどうかが伝わってきます。具体的な質問の立て方については、次の記事で詳しく取り上げます。
新潟で起きてきたことを、時間の幅で見る
一九六四年の新潟地震では、信濃川沿いの低地を中心に建物の沈下と傾斜が広い範囲で発生しました。二〇〇四年の中越地震、二〇〇七年の中越沖地震では、山間部の斜面と平野部の造成地の双方で被害が出ています。そして二〇二四年の能登半島地震では、新潟市西区を中心に液状化の被害が繰り返されました。
六十年のあいだに、同じ県内で複数回、住まいに直接関わる災害が起きています。一生のうちに一度あるかないかという想定では、新潟の家づくりは考えにくいということです。
会社の体制を、具体的に確かめる方法
抽象的に災害対応を尋ねても、答えは抽象的になります。次のように具体的に聞くと、準備の有無がはっきりします。
これまでに建てたお客様の連絡先は、どのような形で管理されていますか。災害が起きた場合、最初に連絡が来るのはどれくらいの時間ですか。訪問の順番は、どのような基準で決めますか。職人の方々との連絡手段は決まっていますか。
これらに具体的な答えが返ってくる会社は、一度は社内で議論しています。答えが出てこない場合でも、後日調べて連絡をくれるかどうかで姿勢が分かります。
性能そのものが、災害への備えになります
耐震等級三を確保することは、揺れに対する備えです。地盤調査と液状化リスクの確認は、土地に対する備えです。そして断熱性能の高さは、停電や燃料不足のときに室温を保つ備えになります。
二〇二四年一月一日の地震では、新潟市内でも水道とガスが止まった地域がありました。冬の発災では、室内の温度が下がらないことが暮らしを支えます。断熱と気密は、快適さのためだけの性能ではありません。
次の一歩
住宅会社を回る予定があるなら、災害が起きたときの対応について尋ねる準備をしておいてください。具体的な聞き方は次の記事でご紹介しています。
あわせて、検討している地域のハザードマップを見ておくと、質問の内容が具体的になります。新潟県内の液状化の履歴、浸水の想定、土砂災害の警戒区域。いずれも自治体のウェブサイトで公開されています。
敷地が決まっていない段階でも、候補の地域について調べておくことはできます。条件を知ったうえで会社を回ると、説明の精度を判断できるようになります。
よくあるご質問
災害時の対応について、契約前に聞いても失礼になりませんか
失礼にはあたりません。むしろ、本質を見ているお客様として受け止められることが多い質問です。会社としても、自社の姿勢を伝える機会になります。聞き方としては、地域の条件を確認したいという前置きを添えると、自然に話が進みます。
大手と地域の工務店では、災害時の対応に差がありますか
規模の大小だけでは決まりません。大手は組織としての体制が整っている一方、地域の工務店は近くにいるという利点があります。新潟のように積雪や冬季雷による不具合が起こりやすい地域では、早く来てもらえることの価値は小さくありません。どちらの場合も、具体的な手順が決まっているかを確認してください。
引き渡しから何年くらい、対応してもらえるものですか
保証の範囲は部位によって異なり、構造や防水に関わる部分は十年間の保証が法律で定められています。それ以外の部分や、保証期間が過ぎた後の対応は会社ごとに異なります。点検の頻度と期間、有償になる範囲を、契約前に書面で確認しておいてください。
ご相談について
新潟県内での家づくりについて、ご不明な点やご不安な点がございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。ご相談の内容にかかわらず、費用はいただいておりません。