見学会で聞いてほしい質問「災害が起きたら、御社はどう動きますか」
住宅会社を比べるとき、性能値やオプションの一覧は資料を見れば分かります。けれども会社の姿勢は、資料には書かれていません。短い時間でそれを知るために、見学会や打ち合わせの場で使える質問があります。
二つの質問
一つめは、最近起きた災害を具体的に挙げたうえで、「あの災害を見て、御社ではどんなことを考えましたか」と尋ねる質問です。二〇二四年の能登半島地震でも、新潟県内で記録的な大雪が降った年のことでも構いません。
二つめは、「もし同じような災害がこの地域で起きたら、これまでに建てられたお客様へはどんな対応をされますか」という質問です。
この二つを続けて尋ねるだけで、その会社が災害をどれだけ自分ごととして考えてきたかが、驚くほどはっきり見えてきます。
なぜこの質問が効くのか
性能や価格の質問には、どの会社も答えを用意しています。営業の担当者が説明する内容は、会社として準備された回答です。一方で災害時の対応は、社内で話し合っていなければ答えようがありません。用意されていない問いだからこそ、その会社の素の姿勢が出ます。
新潟という土地を考えると、この問いはとりわけ現実的です。県内のすべての市町村が豪雪地帯に指定されており、平野部の都市では今後三十年間に震度六弱以上の揺れが起きる確率が十四から十八パーセントと見積もられています。雷日数も新潟市で年間三十四・七日と全国六位で、しかも冬季雷はエネルギーが大きく、住宅設備の制御基板を壊すことがあります。
答えを聞くときの姿勢
大切なのは、完璧な答えを求めないことです。中小の工務店が大手と同じ体制を組むことはできません。それでも「できる範囲でここまでは決めている」と具体的に話せる会社と、話題そのものが初耳という反応の会社とでは、日ごろの意識がまったく違います。
また、すぐに答えが出てこなかった場合でも、「社内で確認してご連絡します」と言って本当に後日連絡してくる会社は、それだけで信頼できる材料になります。質問への向き合い方そのものが、引き渡し後の対応の予行演習になっているとも言えます。
比較するときは、同じ質問を同じ順番で
複数社を回るときは、この二つの質問を必ず同じ形で投げかけてみてください。条件をそろえて聞くと、会社ごとの違いが一段とはっきりします。間取りの提案力や見積もりの金額とあわせて、比較表の項目に加えておく価値のある問いです。
答えを聞くときに、あわせて確かめたいこと
災害対応についての答えを聞いたら、そこからもう一歩だけ踏み込んでみてください。その体制はいつから整えているのか、実際に使った経験はあるのか。
二〇二四年一月の能登半島地震のとき、新潟県内でも対応に差が出ました。発災から四日目にはお客様の訪問を始めていた会社もあれば、連休明けまで動けなかった会社もあります。この経験について尋ねると、実際の対応力が見えてきます。
三社に同じ質問をすると、基準ができます
一社だけに聞いても、その答えが良いのか悪いのか判断できません。三社に同じ質問を同じ順番で投げかけると、幅が分かります。
最も具体的だった会社を基準にして、他社の答えを並べてみてください。差が明確になります。
質問する場面の選び方
見学会の入口で聞いても、落ち着いた答えは返ってきません。ひととおり案内を受けたあと、座って話す場面が適しています。
また、担当者ひとりの考えではなく会社としての方針かどうかを確かめたい場合は、社内で決まっていることですかと添えてみてください。会社として決めているのか、その人の考えなのかが分かります。
記録を残しておく
複数社を回ると、どの会社が何と答えたかが混ざります。その場でメモを取るか、帰宅後すぐに書き留めてください。
契約の判断をする段階で、この記録が効いてきます。最終的にどの会社を選ぶにしても、理由を自分の言葉で説明できる材料になります。
質問を準備するときの手順
訪問する会社を決めたら、聞く内容を三つに絞って紙に書き出してください。災害時の対応、敷地条件の読み方、引き渡し後の点検体制。この三つであれば、短い時間でも確認できます。
そのうえで、答えをその場で書き留められるよう、メモの用意をしておいてください。後から記憶に頼ると、会社ごとの違いが曖昧になります。
訪問の順番も考えておくと効果的です。最も気になる会社を最初にすると、比較の基準がまだできていない状態で判断することになります。二社目か三社目に回すほうが、落ち着いて見られます。
よくあるご質問
質問したときに、はぐらかされたらどう判断すればよいですか
その場で結論を出す必要はありません。後日あらためて回答をもらえるかどうかを見てください。調べてご連絡しますと言って実際に連絡が来れば、誠実な対応です。そのまま話題が流れるようであれば、判断の材料になります。
見学会の場で込み入った質問をする時間はありますか
案内がひととおり終わったあと、座って話す時間が設けられることが多くあります。その場面が適しています。時間が取れない場合は、個別相談を申し込むという方法もあります。
複数社に同じ質問をするのは、気が引けるのですが
比較検討のために同じ条件で確認していると伝えれば、問題ありません。むしろ、条件を揃えて比べようとしている姿勢は、会社側からも理解されます。答えを記録しておき、最終的な判断の材料にしてください。
ご相談について
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