西三河の家づくり

「おしゃれな家」より「西尾で気持ちよく暮らせる家」。地元の建築家が考えるデザインの話

断熱、気密と続けてきたブログの第3回は「デザイン」です。

「性能は大事だと思う。でも、やっぱり見た目も好きな家にしたい」

「SNSで見た家は素敵だけど、うちの土地や予算で同じことができるの?」

西尾市・碧南市・安城市・知立市・蒲郡市・幸田町で家づくりを考えている30〜40代のご夫婦から、よく聞くお悩みです。

私たち都築建築は、西尾市生まれの建築家(一級建築士)と西尾市の大工が一緒に家をつくる会社です。今回は、私たちが考える「デザイン」が、雑誌の写真とは少し違うところから始まっている、というお話をします。

デザインは「土地と気候への答え」から始まる

私たちにとってデザインとは、見栄えを整えることではなく、この土地でどう暮らすかという問いに、形で答えることです。

西三河の気候・治安・暮らしのデータを見ると、その答えがかなり具体的に見えてきます。

太陽の角度が、家の”顔”を決める

西尾〜蒲郡(北緯約34.85°)では、夏至の太陽の南中高度は78.6°、冬至は31.7°。ほぼ真上から射す夏の日射は、南面の窓の上に600〜900mmの庇を出せばほとんど遮れます。冬の低い日射は庇の下をくぐってリビングの奥まで届く。

この「深い庇」は、日本の家が昔から持っていた美しさそのものです。水平に伸びる軒のライン、軒下にできる影、その下の土間やテラス。性能のために必要な要素が、そのまま西三河の家らしい佇まいになる。これが私たちのデザインの出発点です。

猛暑日39日の夏を、心地よく過ごす間取り

名古屋の猛暑日は2024年に年39日、熱帯夜は年20〜40日が当たり前になりました。だから私たちは、窓の位置と大きさを「眺めがいいから」だけで決めません。

西日を受ける面の窓は小さく、風の通り道はしっかり確保し、南面は庇で守った大きな開口に。夏は日射を入れず、冬は日射を招く。断熱・気密と組み合わせたパッシブ設計そのものが、間取りのデザインになります。

西三河の暮らしから生まれる、5つのデザイン

1. 車2〜3台と「シャッターガレージ」

安城・知立・碧南を中心にトヨタ系企業が集積するこの地域では、共働きで通勤用の車を2台持つのが標準です。一方で、愛知県は自動車盗の認知件数が全国1位(令和6年)。

そこで私たちは、駐車スペースを「余った場所」に置くのではなく、建物と一体で計画します。シャッター付きのガレージ、外から死角になりにくい配置、人感センサーライトを組み込んだ外構。防犯性を建物のデザインとして美しく納めることは、この地域の家づくりの大切なテーマです。

2. 「死角をつくらない」外構と玄関

愛知県は住宅対象の侵入盗も全国ワースト2位。だからこそ、玄関まわりや窓の配置、植栽の高さは、見た目と防犯を同時に考えます。録画式インターホン、防犯性能の高い建具(CP認定)を選びつつ、それが”要塞”に見えないように整える。ここは建築家の腕の見せどころです。

3. 水に浸かりやすい土地は、あえて「上げる」

西尾市には、大雨のときに水に浸かりやすい場所があります。2025年の台風15号でも市内で床上浸水が起きました。私たちはそうした土地では地盤を上げ、必要なら基礎を高くして家を建てます。

少し高くなった床の高さは、そのままアプローチの階段やデッキ、腰掛けられる縁側というデザインになります。災害への備えを、暮らしの豊かさに変えていく。地元の大工が代々受け継いできた知恵です。

4. 共働き家族の「動線」と「書斎」

2020年以降、在宅勤務は当たり前になり、書斎やワークスペースの要望が急増しました。共働きでお子さんが二人いるご家庭なら、朝の支度と帰宅後の家事がぶつからない回遊動線、洗濯を1か所で完結させるファミリークローク、リビングで子どもが宿題をしながら親が仕事もできる畳コーナーやスタディカウンター。

私たちの参考プランには、4LDK+畳コーナー+ファミリークローク(約34坪)や、4LDK+ウォークインクローゼット+ファミリークローク(約35坪)といった構成があります。見せる場所と、しまう場所をはっきり分けることが、片付いた美しさを長く保つコツです。

5. 将来の「親との近居・同居」を織り込む

蒲郡市の高齢化率は30.2%、西尾市も26.1%。この地域では、30〜40代のご夫婦が家を建てる際、10年20年先の「親との近居や同居」「1階だけで暮らせる間取り」が現実的なテーマになります。

今は子ども部屋、将来は寝室に。1階に和室や畳コーナーを置き、水回りを1階に集める。変化する家族に合わせて役割を変えられる余白を残すことも、私たちが大切にしているデザインです。

都築建築のデザインを支える3つの土台

大工×建築家が同じ会社にいる

一般に、建築家は美しい設計ができても「この材料が20年後にどうなるか」を現場で見てきていません。大工は経験と技はあっても、根拠を数値で示すのが得意ではありません。

都築建築は、大工であり一級建築士でもある代表が、全棟の許容応力度計算を自ら行い、図面を仕上げます。「かっこいいけれど耐震等級3が取れない」「性能のために間取りを妥協した」というズレが起きない。デザインと性能の両立は、この体制から生まれています。

自然乾燥した本物の木を「見せる」

私たちは6寸角の通し柱を自社倉庫で自然乾燥させ、木のクセを見極めて使います。1945年の三河地震で倒れなかった家は柱が太かった──地元大工の口伝を今も守っています。

よく乾いた太い木は、隠すだけでなく現しの梁や柱として見せることができます。時間とともに色を深めていく本物の木の質感は、流行の内装材では出せない、100年住める家の風格です。

「ちょうど良い家」という美意識

営業専任スタッフもモデルハウスも持たず、その費用を材料と手間に回す。派手な装飾ではなく、庇の深さ、窓の位置、木の見せ方、収納の納まりで美しさをつくる。

世帯年収700万円前後のご家族が、無理のない予算で「性能もデザインも」を叶えるために、私たちは足し算ではなく引き算のデザインを大切にしています。

西尾で、あなたの家族のための”ちょうど良い”デザインを

デザインとは、この土地の太陽と風、雨と地盤、この地域の暮らしと治安を読み込んだうえで、あなたの家族にいちばん気持ちのいい形を見つけること。それは西尾に50年根を張ってきた私たちだからこそできることだと思っています。

「うちの土地にはどんな形が合う?」「こんな暮らし方をしたいけれど、どう間取りにすればいい?」

そんなふわっとした段階からで大丈夫です。西尾市一色町の事務所(キッズスペース完備)で、予約制・参加費無料の家づくり個別相談会を開いています。定期的にお子さんも参加できるモノづくりワークショップも行っていますので、まずは気軽に遊びに来てください。

株式会社都築建築(T.K.Design 都築大輔一級建築士事務所)

愛知県西尾市一色町千間下通西44-3 TEL 0563-73-5902

施工エリア:西尾市・碧南市・安城市・知立市・蒲郡市・幸田町

※本文中の気候・治安・人口データは、気象庁、国立天文台、愛知県警察、各市町統計、Amigo建築コンサルティング「西三河 六市町 市場調査レポート(2025年)」に基づいています。

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