「断熱等級6」の家が、なぜ暑い?西尾の大工が”気密”にこだわる理由
前回のブログでは、25年で+1.7℃、猛暑日は年39日という西三河の気候の変化と、私たち都築建築が断熱にこだわる理由をお話ししました。
今回はその続き、「気密」についてです。
「気密って、なんだか窒息しそうで嫌」
「断熱がしっかりしていれば、それで十分では?」
西尾市・碧南市・安城市・知立市・蒲郡市・幸田町で家づくりを考えている30〜40代のご夫婦から、そんな声をよく聞きます。ですが実は、断熱と気密は”セット”でなければ意味がありません。しかも、この地域の気候を知れば知るほど、気密の大切さがはっきり見えてきます。
気密とは「家の隙間をなくすこと」
気密性能は、家全体にどれだけ隙間があるかを示すC値(相当隙間面積)という数値で表します。数字が小さいほど隙間が少なく、C値1.0以下なら床面積1㎡あたりの隙間がハガキの約1/15。私たちはさらにその先を目指しています。
なぜ隙間が問題なのか。それは、どれだけ厚い断熱材を入れても、隙間があれば外の空気がそこから出入りして、断熱の効果を打ち消してしまうからです。
セーターを一枚着ても風が吹き抜けたら寒いのと同じで、セーター(断熱)にウインドブレーカー(気密)を重ねてこそ、家は本当に暖かく、涼しくなります。
西三河だからこそ、気密が効く3つの理由
1. 熱帯夜が「年20〜40日」の夏
1970年代は一桁日だった名古屋の熱帯夜(最低気温25℃以上の夜)は、2010年代以降、年20〜40日が当たり前になりました。夜になっても外気が冷えない。つまり、隙間から入ってくる空気は夜中でも熱い、ということです。
気密の高い家は、夜間に外の熱気が寝室や2階の子ども部屋に入り込まないので、エアコンを弱めに連続運転するだけで室温が安定します。「子どもが寝苦しくて何度も起きる」「朝までエアコン全開で電気代が不安」というお悩みは、断熱だけでなく気密で解決するものです。
2. 短時間豪雨と海の湿気
愛知県では時間雨量50mm以上の豪雨が1976年比で増加し、2100年には短時間豪雨が2倍になると予測されています。2000年の東海豪雨、2008年の岡崎146.5mm/h、2023年の三河地方の激甚災害、2025年の台風15号による西尾市の浸水──この地域の雨は、年々激しくなっています。
西尾・碧南・蒲郡は三河湾に面し、そもそも湿気の多い土地です。隙間の多い家は、この湿った空気を壁の中に引き込み、断熱材を濡らし、見えないところで結露やカビ、木材の腐朽を進めてしまいます。気密は「省エネのため」だけでなく、湿気の多い西三河で家を長持ちさせるための性能なのです。
3. 2022年以降の光熱費と、2025年の省エネ義務化
電気・ガス価格の高騰で、光熱費は家計を直撃するようになりました。2025年からは新築住宅の省エネ基準が義務化され、「温熱性能を数値で確認する」ことが家づくりの必須プロセスになっています。
ただし、法律で求められるのは主に断熱(UA値)。気密(C値)は義務ではないので、測らない会社も多いのが現実です。だからこそ、私たちは「測って、数値で見せる」ことにこだわります。
都築建築が気密にこだわれる理由
大工が正社員だから、隙間の出方を知っている
気密は、図面の上ではつくれません。断熱材と柱の間、窓まわり、配管が壁を貫くところ、床と壁の取り合い──現場で一つひとつ丁寧に処理するかどうかで、C値は倍以上変わります。
都築建築は大工職人を正社員として育て、自社の大工が現場を手掛けています。「今日は誰が施工したのかわからない」ということがありません。大工の技を継承する会社だからこそ、目に見えない気密処理まで責任を持てるのです。
自然乾燥した木だから、隙間が”あとから”生まれにくい
私たちは構造材を自社倉庫で自然乾燥させ、物によっては2年以上かけて余計な水分を抜いてから使います。
これは耐久性や強度のためでもありますが、気密にも直結します。乾燥が足りない木は、住み始めてから痩せたり反ったりして、完成時にはなかった隙間を生みます。引き渡し時のC値ではなく、10年後20年後の気密を守るために、木の乾燥から手をかけています。
大工の知恵×建築家の根拠
都築建築は、全棟で許容応力度計算による耐震等級3を取得しています。「勘」ではなく「根拠」で家をつくる姿勢は、気密も同じ。西尾生まれの建築家が設計段階で気密ラインを図面に明記し、西尾の大工がそれを現場で実現する。大工と建築家が同じ会社にいるから、「設計ではこうだったのに現場で変わってしまった」というズレが起きません。
第三者検査で、見えない部分を”見せる”
私たちの家は、第三者品質検査会社の検査を通しており、最長60年の保証を付けることができます。気密処理や断熱施工は完成すると壁の中に隠れてしまう部分。だからこそ、施工の途中で外の目を入れ、施主様にも確認いただくことを大切にしています。
「気密が高い=息苦しい」は誤解です
最後に、冒頭のご心配にお答えします。
現在の新築住宅には24時間換気が義務付けられていますが、この換気設備は家に隙間が多いと、狙ったとおりに空気が流れません。隙間から勝手に空気が出入りしてしまい、換気したい部屋の空気が動かないのです。
気密が高い家ほど、換気計画どおりに新鮮な空気が家中をめぐります。つまり、気密が高い家のほうが空気はきれいで、花粉や湿気、外の排気ガスも計画的に遮ることができます。お子さんが二人いるご家庭にこそ、知っておいていただきたい事実です。
共働き・子ども二人・世帯年収700万円のご家族へ
日中は家を空け、夕方に帰ってきて、夜は家族4人が同じ屋根の下で眠る。そんな暮らしにとって、気密の高い家は
- 帰宅したとき、締め切っていた家の中がムッと暑くない
- 夜中、子ども部屋と寝室の温度差がほとんどない
- 熱帯夜30日の夏でも、電気代の見通しが立つ
- 壁の中が結露せず、35年ローンを払い終えたあとも家が健康
という形で返ってきます。
私たちは営業専任スタッフもモデルハウスも持たず、その費用を材料と手間に回して、高性能でも家計に優しい「ちょうど良い家」をつくっています。気密は、その”ちょうど良さ”を支える、目に見えない土台です。
「うちの予算で、どこまでの気密が現実的?」「気密測定って実際に見られる?」
そんなご質問からで大丈夫です。西尾市一色町の事務所(キッズスペース完備)で、予約制・参加費無料の家づくり個別相談会を開いています。しつこい営業は一切しません。お子さんと一緒に、お気軽にお越しください。
株式会社都築建築
愛知県西尾市一色町千間下通西44-3 TEL 0563-73-5902
施工エリア:西尾市・碧南市・安城市・知立市・蒲郡市・幸田町
※本文中の気候・災害データは、気象庁、愛知県防災局、Amigo建築コンサルティング「西三河 六市町 市場調査レポート(2025年)」に基づいています。