尾張西北部の家づくり

この地域だからこそ、デザインにこだわる。尾張西北部の暮らしの変化が教えてくれること

「せっかくリノベーションするなら、デザインにもこだわりたい」——そう思う一方で、「おしゃれさと暮らしやすさは両立できるのか」「予算内でどこまでできるのか」と、不安に感じているご夫婦も多いのではないでしょうか。共働きでお子さんが二人、日々の暮らしに追われる中だからこそ、見た目の好みだけでなく、実際の暮らしにフィットするデザインを選びたいところです。

私たちがこの尾張西北部エリアで家づくりを続けてきて実感するのは、「良いデザインとは、その土地の暮らし方の変化を反映したデザインだ」ということです。今日は市場調査データをもとに、なぜ地域を理解した工務店だからこそ、本当に暮らしやすいデザインを提案できるのかをお伝えします。

世帯規模は2.78人から2.18人へ。「広いだけの家」はもう正解ではない

この地域の1世帯あたりの人数は、2000年の愛知県平均2.78人から2025年には2.18人へと、25年で約21%も縮小しています。かつて標準とされてきた「広いLDK+寝室3つの4LDK」というテンプレートは、もはや多くのご家庭の暮らし方に合わなくなってきているのです。

今、求められているのは、2〜3LDKをベースにしながら、引き込み戸などで仕切りを自在に変えられる「可変間取り」です。お子さんが小さいうちは広いワンルームとして使い、成長に合わせて個室に分けていく。こうした暮らしの変化に寄り添えるデザインこそ、この地域の今の世帯構成に合った合理的な選択だと私たちは考えています。見た目の華やかさだけでなく、「10年後、15年後も家族にフィットし続けるかどうか」——それがこの地域で本当に評価されるデザインの条件です。

在宅勤務率18〜22%。書斎スペースはもう「贅沢」ではない

2000年には2%にも満たなかった愛知県内の在宅勤務率は、2024年には18〜22%まで上昇しました。共働きのご夫婦にとって、リビングやダイニングの片隅で仕事をする状態は、集中力の面でも家族とのオン・オフの切り替えの面でも、決して快適とは言えません。

私たちが提案するデザインでは、1.5〜2畳ほどの独立した書斎ブースを間取りに組み込み、オンライン会議の音が家族の生活音と干渉しないよう、吸音材やカーペットで簡易的な反響対策を施すケースが増えています。これは単なる「おしゃれな書斎」ではなく、この地域で急速に広がったハイブリッド勤務という暮らし方の変化を、デザインの中にきちんと落とし込んだ結果なのです。

木曽川・犬山エリアと春日井エリア、地形が違えばデザインの正解も違う

尾張西北部12市町は、名古屋への通勤圏として平坦地が広がる一宮・稲沢・清須などのエリア(グループA)、小牧山や犬山城周辺の丘陵地を含む犬山・小牧エリア(グループB)、そして中核市規模の商圏を持つ春日井エリア(グループC)と、地形も産業構造も異なる3つの顔を持っています。

平坦なベッドタウンエリアでは、庄内川・五条川の流域特性を踏まえた基礎高や、隣家との距離を考慮した採光デザインが重要になります。一方、丘陵地を含む犬山・小牧エリアでは、高低差を活かした半地下やスキップフロアなど、土地の起伏そのものをデザインに取り込む工夫が効果的です。全国一律の規格デザインではなく、その土地の地形を読んだ上でデザインを組み立てられるのは、地域を歩いて知り尽くした工務店ならではの強みだと考えています。

高齢化率25%。これからのデザインは「今」と「その先」の両方を見る

この地域の高齢化率は2000年の14.0%から2024年には25.0%まで上昇し、2040年には32.6%に達すると予測されています。今は30〜40代のご夫婦であっても、将来的にご両親との同居や、ご自身の住み替えを視野に入れる可能性は十分にあります。

そのため私たちは、デザイン提案の段階から、段差を極力なくしたバリアフリー動線や、将来手すりを設置しやすい下地補強を、目立たない形であらかじめ組み込んでおくことを大切にしています。「今のかっこよさ」と「将来の暮らしやすさ」は、決して相反するものではありません。むしろ、両方を見据えて設計されたデザインこそ、長く愛着を持って住み続けられる家になると私たちは考えています。

名古屋市からの移住者が選ぶ、この地域らしい住まいのかたち

愛知県は4年連続で社会増(転入超過)が続いており、2025年には2.6万人の転入超過を記録しました。特にこの12市町では、名古屋市西区・北区から一宮・北名古屋・清須方面への「市内移住」が主流となっています。都心のマンション暮らしから、庭付きの戸建てへ——そうした移住者の方々が求めているのは、都会的な洗練さを残しつつも、この土地らしいゆとりや自然素材の温かみを感じられる住まいです。

私たちは、こうした移住のトレンドや、地域ごとの世帯年収帯(この12市町は年収526万〜543万円のほぼ同一価格帯商圏)を踏まえながら、坪単価65〜80万円程度の主力価格帯の中でも、素材選びや外観の見せ方に工夫を凝らし、コストを抑えながらも「安っぽく見えない」デザインを追求しています。

なぜ「地元を知る工務店」のデザインが違うのか

デザインというと、つい表層的な見た目の好みの話だと思われがちです。しかし本当に暮らしやすいデザインとは、その土地の世帯構成の変化、働き方の変化、高齢化の進み方、そして地形や気候といった、目に見えない背景をすべて踏まえた上で組み立てられるものです。

私たちはこの尾張西北部エリアで数多くのご家族の暮らしに向き合ってきたからこそ、単なるトレンドの後追いではなく、この地域だからこそ必要とされるデザインの根拠を持っています。可変性のある間取り、集中できる書斎、地形を活かした空間づくり、そして将来を見据えたバリアフリー設計——そのすべてを、地元だからこそのこだわりでご提案します。

まとめ:デザインは「見た目」ではなく「暮らし方への理解」から生まれる

世帯規模の縮小、在宅勤務の定着、高齢化の進行、そして地域ごとに異なる地形や移住の流れ——。これらすべてを踏まえたとき、本当に良いデザインとは、単に美しいだけでなく、この土地でこれから何十年も暮らす家族の変化に寄り添えるデザインだと私たちは考えています。

リノベーションをお考えの際は、ぜひ「この地域の暮らし方を理解した上でのデザイン」という視点を、家づくりのご相談の中に加えてみてください。私たちは、データに裏付けられた地域理解と、日々の暮らしへの想像力の両方を大切にしながら、ご家族にとって本当に心地よい住まいのかたちを一緒に考えていきます。

← 尾張西北部の家づくりの記事一覧へ