富山の家は「すき間」で差がつく。立山おろし・湿気・地震を知る工務店がこだわる「気密」の話
こんにちは、太平ハウス・ラボです。
前回は、富山の気候に合わせた「断熱」についてお話ししました。今回はその断熱と必ずセットで考えたい「気密」がテーマです。
断熱がセーターだとすれば、気密はその上に着るウインドブレーカー。どんなに暖かいセーターを着ていても、冷たい風がすき間から入り込めば体は冷えてしまいます。家もまったく同じです。
共働きで子育て中のご家庭にとって、家は限られた時間を過ごす大切な場所。今回は富山の気候や災害のデータをもとに、「富山だからこそ気密が大切な理由」と、太平ハウス・ラボが現場で積み重ねているこだわりをご紹介します。
気密とは「家のすき間をなくすこと」
気密性能は「C値(相当すき間面積)」という数値で表します。家全体のすき間の合計を延床面積で割ったもので、数値が小さいほどすき間が少ない家です。
気密が低い家では、せっかく温めた(冷やした)空気がすき間から逃げ、代わりに外の空気が入ってきます。断熱材の性能を十分に活かすためにも、気密は欠かせない性能なのです。
富山の「風」が、すき間から熱を奪っていく
富山の冬が寒く感じるのは、気温の低さだけが理由ではありません。立山連峰から吹き下ろす「立山おろし」のような冷たく強い風が、建物のすき間から容赦なく熱を奪っていきます。
さらに夏から秋にかけては、フェーン現象による熱風や台風の強風も吹きつけます。富山地方気象台の年平均気温は、2000年の14.6℃から2023年には16.1℃と統計史上最高を記録しました。猛暑日や熱帯夜が増えた今、夏の熱く湿った空気をすき間から入れないことも、快適さを大きく左右します。
風の強い富山では、すき間の多い家ほど「冬は隙間風で寒く、夏はエアコンが効きにくい」家になってしまいます。
湿気の多い富山では「見えない結露」に要注意
富山は冬も湿度が高く、曇りの日が多い地域です。冬の相対湿度が60%を超えることも珍しくありません。
気密が低い家では、室内の湿った空気が壁の中に入り込み、冷えた部分で水滴になる「壁内結露」が起こりやすくなります。壁の中の結露は目に見えないまま断熱材を湿らせ、柱や土台など家の骨組みを傷める原因にもなります。
太平ハウス・ラボは全棟で長期優良住宅を採用し、基礎の全面に防湿シートを敷くなど、床下の湿気対策も行っています。長く安心して住み継ぐ家をつくるためにも、湿気の多い富山では、断熱とあわせて気密をしっかり確保することがとても大切なのです。
地震に強い家は、すき間ができにくい家
令和6年の能登半島地震では、富山県内でも22,818棟の住家に被害が出ました。耐震性はもちろんですが、実は「地震に強い骨組み」は気密とも深く関わっています。
建物が揺れでゆがむと、壁や窓まわりにすき間が生まれます。逆に、一定の耐震性能を持ち、正しく気密施工された建物は、地震のあとも気密性能が低下しにくいとされています。
太平ハウス・ラボでは、含水率8〜10%まで乾燥させた構造材「JWOOD LVL」を使っています。木が「やせる」ことがほとんどないため、年月がたっても骨組みにゆがみやすき間が生まれにくいのが特徴です。床と壁をパネルで一体化するJWOOD工法とあわせて、「ゆがまない=すき間ができない」家を実現しています。富山県木材試験場で行った実大震動実験でも、震度6強クラスの揺れを繰り返し与えて、倒壊や大きな損傷がないことを確認しています。
太平ハウス・ラボの気密施工のこだわり
気密性能は、完成すると見えなくなる部分の「施工の丁寧さ」で決まります。当社では、次のような工程を一つひとつ積み重ねています。
- 吹付断熱で家を包む:壁・天井には、現場で吹き付ける硬質ウレタンフォームを採用。細かなすき間まで入り込んで密着し、断熱と気密を同時に高めます。
- 窓まわりのすき間をふさぐ:サッシと壁の間に生じるわずかなすき間も、ウレタンの吹き付けで埋めています。
- パネルのつなぎ目をテープで処理:柱と柱の間にはめ込む構造用パネルの外周には、専用のバリアテープを施工しています。
- 配管の貫通部も見逃さない:24時間換気やエアコンのダクトが壁を貫通する部分には、伸縮性の高い部材を取り付け、すき間と雨水の侵入を防ぎます。
- 窓下の結露にも備える:サッシと木材が接する窓の下部には水切りシートを施工し、万一の結露水が木部に伝わらないようにしています。
測って確かめる「気密測定」
気密測定は、断熱材の吹き付けが終わり、内装で隠れてしまう前の工事中に行います。専用の機械で建物の中の空気を外へ送り出し、空気の漏れている箇所を見つけたらその場でふさいで、もう一度測り直します。
当社の分譲モデルで行った気密測定では、C値1.0という結果が出ました。一般に「高気密」の目安とされる水準です。こうして施工精度を数字で確かめ、次の現場に活かしています。
気密が高いと、暮らしはこう変わる
実際にお住まいのお客様からは、こんな声をいただいています。
- 冷暖房が少ないエネルギーで効く:「冬の床暖房は一番低い設定でも暖かく、夏の冷房は弱運転でも十分涼しい」
- 家の中が静か:「車通りの多い道路の近くでも、家の中はとても静か」「ピアノの音も外にはほとんど聞こえない」
子どもの声や楽器の音を気にせず過ごせるのは、子育て世帯にとってうれしいポイントです。
冷暖房の効きが良いということは、それだけ光熱費を抑えやすいということ。電気代は毎月かかり続ける固定費です。建てるときの価格だけでなく、20年、30年と暮らしたときのトータルで考えると、すき間の少ない家は家計の味方になってくれます。
また、気密が高い家では24時間換気が計画どおりに働き、家じゅうの空気がきちんと入れ替わります。外の湿気や春先の黄砂も入り込みにくいので、室内干しの洗濯物も乾きやすくなります。女性の有業率が全国3位と共働きが多い富山では、雪や雨の日が続く季節でも天気を気にせず洗濯できることは、毎日の家事の負担を減らす大きな価値です。
新しいモデルハウスでは、さらに一歩先へ
現在、富山市速星で建築中の新しいモデルハウス(2027年1月オープン予定)では、冬の寒さはもちろん、夏の猛暑や湿気にも負けない断熱・気密性能を追求しています。
すき間の少ない家だからこそ、大きなエアコンに頼らず家じゅうを快適に保つ空調計画が実現できます。気密は、快適な空気環境をつくるための「土台」なのです。
まとめ:地元を知っているから、すき間まで気を配れる
気密は、カタログの数字だけでは分からない性能です。立山おろしの冷たい風、夏の熱風と湿気、そして地震。富山の気候と向き合ってきたからこそ、私たちは「見えなくなる部分」まで手を抜かずに施工しています。
2003年の設立以来、富山で家づくりを続けてきた太平ハウス・ラボは、これからも地元の気候に合った「すき間のない家」をお届けしていきます。
「気密のことをもっと詳しく知りたい」「実際の住み心地を体感したい」という方は、ぜひお気軽にモデルハウスや見学会へお越しください。